【ぜねこ詰々】
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ここは紛うことなき「riri」のショップです。 ……なんで他人名義様のアンソロ(?)集が!? それだけ彼女(ぜねこ様・pixiv ID/9822208/http://touch.pixiv.net/member.php?id=9822208)のイラストが私の琴線を震わせ、創作力を駆り立てた、ということなんでしょうが。 作品は全部で6作。個々に独立し完結してはいますが、前半はよくある真選組の姿で、途中から五年後コース(映画バージョン)に突入しますが、全て同じ時間軸の彼等だと思って読んでいただけたら幸いです。 《参考データ》 ・本文データは「pdf」 ・原稿用紙:7,484文字=18枚強 ・スマホ版:25文字×25行=19頁 ・掲載時期:2015年4月
【ぜねこ詰々】
【或る午後の一幅】 町の外れで爆発があったと通報が入ったのは、そろそろ午後の見回りに出掛けようとして、相方である砂金色頭を探していた時だった。 【蜘蛛の指先】 土方さんはたまに恐くなる。 俺が土方さんの命狙うのも、土方さんの部屋にいたずらをしかけるのも、全部全部いつものことなのに、そしていつもは怒声をあげるだけあげて終りのくせに、十回に一回、いや三十回に一回くらいの割合で俺は土方さんの腕に閉じ込められてしまうことがある。そしてこういう時の土方さんはいつもからは考えられないくらい怖いのだ。 【初めて】 好きだと言われた。意味がわからなかった。 少なくとも俺が知っている「好き」は二つしかなくて、一つは太陽のような近藤さんの笑顔を護りたいという「好き」、そしてもう一つは天使のような微笑みを持つ姉上を守りたいという「好き」、俺の全てはその二つからしか構成されていなかった。 【水浸しータ】 「雨が振ってきやがったと思って空を見上げたらおまえかよ。どこの水浸しシータだ、おまえは」 【不変の月】 こいつは変わらない。俺が初めて抱いたあの日から。なのに。 こいつは知らない。総悟を抱いたあの日から変わってしまった俺のことを。 【漁火】 月を見ていた。 消し炭色の黒を流し込んだような夜空に浮かんだ黄色く白い月 を。